株式会社の特徴

はじめに

会社といってもいくつもの種類があることは別の記事でも触れたとおりです。その中でも株式会社はもっとも発展した会社制度といってよいでしょう。

日本や欧米諸国の会社の多くは株式会社の形態をとっていますし、日本の実際の会社数の中でも圧倒的な多数は株式会社です。その株式会社には、どのような特徴があるのか見ていきたいと思います。他の記事と重複するところもありますが、復習のつもりでお読みください。

株式会社の特徴

株式会社の特徴として、主に以下のような3つの点が挙げられます。

  • 全出資者が有限責任
  • 資本の証券化と譲渡可能性
  • 会社機関制度

全出資者が有限責任

株式会社における社員は株主です。株を買うことで株主、つまり出資者になれます。第一の特徴は、この株主は全員が有限責任であるということです。有限ということは限度があるということで、企業の負債に対して出資額を限度として責任を負うということです。

ですから、企業が大きな負債を抱えても、個々の株主は自分の出資額を超える負債に対しては責任を取らなくてもよいのです。このことは、株主になる人や組織にとってみれば大変重要なことです。リスクが限定されることで、出資しやすくなるからです。

資本の証券化と譲渡可能性

出資することで株式が発行されるのですが、これはその会社の自己資本のどれだけを持っているか、つまり「持ち分」を示すものになります。ちなみに、これは有価証券の一種です。言い換えれば、株式というものは資本金が証券化されたものです。第二の特徴は、ここでいう「資本の証券化」ということです。

これによって細かく分割してやりとりしやすく、また追加もしやすくなったわけです。しかもこれは「譲渡可能」だということが重要な点です。

株主になった時に支払ったお金は自己資本金として会社の財産になります。会社にしてみればこれは借金ではなく返さなくてよいお金です。株主は資本金を出した見返りとして「配当」といった利益の分け前をもらえるのですが、もう株主をやめたい、出資した資金を回収したい時はどうすればよいのでしょうか。

そうです、他の誰かに売るのです。会社からお金を返してもらうのではなく、他の人に売るのであり、これができることを「譲渡可能性」というのです。株主は株式を自由に売買できます。これを「譲渡自由の原則」と呼びます。買った株価より売った株価が高ければ、出資者としては儲けになります。株式投資で儲けようという人はこれを狙うわけですね。

会社機関制度

株式会社の場合、会社の経営をするのは株主である必要はありません。会社から雇われた経営者が行うことができます。しかし、この経営者がでたらめな経営をすると株主やその他の関係者が大きな損害を被る危険があります。したがって、経営が健全に行われるようにするために、法律上、会社の機関を整えることが必要になるのです。これが第三の特徴である、会社機関制度というものです。

「機関」というのはなんとなくピンとこないと思いますが、ここではかんたんに「仕組み」みたいなものと考えておいてください。法的にはもっときちんと説明しなければいけませんが省略します。

具体的な名称では、「株主総会」、「取締役」、「監査役」といったものです。それらについて簡潔に説明しておきます。

会社法において株式会社の必須の機関は、「株主総会」と「取締役」です。規模が大きくなると色々と追加されていきますが、株式会社であれば最低限、これが必要というものです。

やっぱり株主が一番エライのか?

まず「株主総会」ですが、これは株主が集合して重要なことについて報告を受けたり決定したりするものです。これが株式会社の最高意思決定機関となります。なんとも大げさな言い方ですが、株式会社は資本金を出した株主のものだという考えに基づけば、株主が集まった総会が最上位のものになるのは当然と言っていいでしょう。

通常は1年に1回行われるのですが、そこでの議題は重要事項のみです。例えば、定款(会社の法律のようなもの)の変更、経営幹部の選任や解任などです。ここで扱われることは法律に定められていて、それ以外は取締役らの経営幹部が決定し、指示していくことになります。

年1回の会議の決定を待っていてはスピード感のある経営はできませんし、大勢いる株主をそんなに何度も集めていたら仕事になりません。ですから、重要な事項だけ株主がチェックし、あとは取締役たちに任せるという形になっているのです。

株主には株主総会での議決権という権利があります。一株一議決権と言われます。一株で一つの議決権を持つわけですから、たくさん株を持っているほど、株主総会での力が強いことになります。要するに多数決ですが、たくさんお金を出した人が一番強い発言権を持つわけですから、その意味では妥当です。

議案の内容によりますが、過半数を要する内容であれば、1人で半分以上の株式を持っている人は自分1人で決められるということになります。

それはともかく、株主にしてみれば自分が出した資本金をもとに経営者が良い経営をしてくれていれば満足ですし、経営者にしてみれば株主が締めるところだけ締めてあとは任せてくれれば理想的な役割分担ができるのです。

実際に会社を動かすのは取締役

次に「取締役」です。これは会社の経営上の意思決定や仕事の監督を行う立場の人です。株主から経営を任されるという形になりますので、株主総会で選ばれます。

取締役は小さな会社でも最低1人必要です。詳しくは別の機会に書きますが、会社の規模が大きくなると、当然この取締役も1人では成り立たなくなって、複数になっていきます。そして「取締役会」という会議体になります。このあたりは結構細かい法的な取り決めがあって面倒なので、このへんしておきます。要するに、株主の代わりに会社を仕切る人あるいは人の集まり(組織)です。

監査役は「見張り役」?

一応、もう一つ大事な機関を説明しておきます。「監査役」というものです。

取締役が株主の代わりに会社を仕切ると書きましたが、株主は株主総会で通常1年に1回しか集まりませんし、取締役が普段どんな経営をしているかはわかりません。ちゃんとやってくれるのが当たり前と思うかもしれませんが、もしデタラメな経営をしていたり、場合によっては不正をはたらいていたりしたら大問題です。それが原因で会社がダメになったら、損をするのは株主です。

ですから、今度は株主の代わりに取締役の仕事をチェックし、報告する仕組みが必要です。それが「監査役」というわけです。つまり、見張り役みたいなものです。

主に二つの役割があって、仕事そのものをチェックする「業務監査」と、お金の扱いがきちんとしているかどうかをチェックする「会計監査」というものがあります。

これら取締役や監査役を世間では「重役」と呼んだりします。問題はこの二つがうまく機能すればいいのですが、このあたりも色々と課題があります。監査役の設置の仕方も会社の規模によっていくつかのパターンがあります。これらをまとめて別の機会に書きます。

おわりに

最初に株式会社制度はもっとも発展した会社制度だと述べましたが、人間が作り人間が動かすものですから、完璧なものではありえません。制度的な問題もありますし、動かしていて間違いを起こすこともあります。このあたりは「コーポレートガバナンス」の問題として近年大きな課題になっているものです。

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