SWOT分析

はじめに

経営戦略を立案するためには、まず自社がどのような状態にあるかを分析する必要があります。その分析のためにはいくつもの手法(ツール)がありますが、ここではその代表的なものとしてSWOT分析というものを説明します。このSWOTですが、たいていは「スウォット」と読みます。

SWOTは何を表しているかというと、それぞれSは強み(Strengths)、Wは弱み(Weaknesses)、Oは機会(Opportunities)、Tは脅威(Threats)のことで、それらの頭文字を並べてSWOTというわけです。

詳しくはこれから説明していきますが、かいつまんで言えば、自社の強み(S)と弱み(W)はどこにあるのか、そして自社の置かれた環境の機会(O)と脅威(T)は何なのか、を明確にしていくわけです。前者を「内部資源分析」、後者を「外部環境分析」と呼びます。

これらを明らかにした上で、今後企業がどのような戦略を打ち出せばよいかを考えるのです。ごくかんたんに言えば、状況を整理するためのツールです。ここで注目しておきたいのは、企業の内側だけでなく、企業の状況をその経営環境との関係で把握するという点です。

先にSWOT分析の枠組みを図示しておきます。

内部資源分析

企業の内部の分析については、自社が現在持っている経営資源において、何が強みなのか、何が弱みなのかを分析します。

たとえば、これから先ものすごく重要になってくる新しい技術を持っているとか、市場において非常に強力なブランド価値を持っているといったことがあれば、それは「強み」になります。

また、販売力が他社に劣っているとか、財政的に心配なところがあるといったことがあれば、「弱み」ということになります。

これらをリストアップして自社の現状を把握するのです。

戦略の策定のために、将来的なビジョンを描くといっても、やはり「今どうなのか?」を客観的に知らなければどうにもなりません。

外部環境分析

つぎに、外部の分析ですが、これは先に述べたとおり「機会」と「脅威」の2つの観点から整理していくのですが、かんたんに言えば「機会」は自社にとって望ましい要因で、「脅威」は自社にとって望ましくない要因です。

たとえば、景気が回復してその企業が主力にしている製品にとってプラスになりそうだとか、規制が緩和されて新しい市場を開拓できそうだといったことがあれば、「機会」ということになります。また、その企業の主力製品の市場に強力な外国企業の参入が計画されているとか、少子化によって市場全体が縮小していくことが予想されるといったことがあれば、「脅威」ということになります。

この外部環境には、企業に直接影響があるものから、間接的に影響のあるものまで、実に様々な要因があります。そして、それは捉え方次第で機会にも脅威にもなります。つまり、厳しい環境であってもポジティブな見方をすればむしろ「機会」と捉えることができます。また、環境は常に変化していくものですから、それらを的確に把握していくことも必要になってきます。

SWOT分析の意味

以上のように、SWOT分析では、企業が「今どうなのか」を内部と外部という観点から整理していくわけです。具体的には、先の図の中に該当する要因を書き込んでいく作業をします。

ちなみに、説明の順番として、内部そして外部と順番に説明しましたが、その順序にやらなければいけないという意味ではありません。企業は環境と適応することで存続できるわけですから、環境がどうなのかということから考えていくことも重要な視点です。

注意すべきことは、単にそれらの様々な要因をリストアップするだけでは意味がありません。つまり、それらを相互に関連づけて、企業が今後どのような戦略を打ち出していけばよいかを考えなければならないのです。

その意味では、SWOT分析それ自体はあくまでも現状を整理する道具であって、戦略はその先の話になります。

SWOT分析に意味がないということではなく、大事なことは現状を明確に理解できるようなリストを作成することです。戦略を考えるためには、正確な現状分析が不可欠だからです。

そして、同時に現状分析で満足してはいけないということです。現状分析のリストの次は、真剣な思索によって企業の将来を左右する戦略を紡ぎ出していかなければならないからです。

タイトルとURLをコピーしました